トルーマンの興味深い発言を偶然発見!

 私の部屋には、一山単位で入手したり交換本コーナーで拾ってきた書籍が山と積んである。今晩は久々にその整理をしたのだが、その際に木村尚三郎著『近代の神話』(中央公論社・1975)という本を発見した。
 木村尚三郎といえば、『作法の時代』(PHP研究所・1996)という駄本を書いた人物である(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20090923/1253631933)。どうせ下らないだろうと思って読まずに捨ててしまおうかとも思ったのだが、偶然疲れていたので休憩がてらページをめくってみた。
 すると序章では、21世紀になってもソ連が続いている事を前提に未来予測が語られていた。ここでまた捨てようかと思ったのだが、結局読み続けた。
 これが幸いした。32ページで、独ソ戦開始直後のトルーマン上院議員「もしドイツが勝ちそうになったらロシアを援助し、反対にロシアが勝ちそうになったらドイツを援助して、両方ができるだけたがいに殺し合うようにしたらよい」(『ニューヨークタイムズ』、一九四一年六月二十四日)という興味深い発言を発見したのである。
 沈着冷静に自国に漁夫の利をもたらそうというだけでもかなり偉大な政治家の行動に分類出来る上、この二虎競食の計では虎が二匹とも国内外に多大な迷惑を及ぼす全体主義国であるので、世界的視野に立っても評価に値する策であると思われる。
 一人の日本人としては原爆を投下した大統領を誉めたくはないが、後先をほとんど考えずにソ連を台頭させてしまったチャーチルルーズヴェルトのコンビより(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20090927/1254030741)、少なくともこの問題に限っては優れていると言わざるを得ない。
 ルーズヴェルトトルーマンの副大統領就任以降ヤルタ会談以前という絶妙の時期に死亡していたなら、ポーランド人がカティンの森事件を公然と告発出来た日は史実より早く訪れていたと思われる(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20091210/1260447952)。

作法の時代―小笠原流を生かす

作法の時代―小笠原流を生かす