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さて、約一年半前に見逃した『DEATH NOTE リライト2 Lを継ぐ者』を、昨日DVDで視聴した。
前作『幻視する神』がTVシリーズの単なる総集編といった色彩が強かったので、見逃した際には大して惜しいとも思わなかったのだが、実際に視聴してみて、本作品が話の内容をかなり変えている事が判った。
これは新鮮味という観点からはそれなりに評価出来た。しかしながら、脚本が杜撰であったために新設定と再利用されたTVシリーズの場面とが上手く繋がっていなかったので、総体としては駄作と言わざるを得ない。
例えば、ニア率いるSPKのメンバーをデスノートで大量に殺したのが、メロやマフィアではなく魅上照という設定になっている。これはSPKの捜査に対する夜神月からの反撃であった。
ところがここでの犠牲者の死に方は、大半が名前だけをデスノートに書かれた直後の単なる心臓麻痺であったのである。
唯一イル=ラットという偽名を持つ人物が銃を手にしていたが、これも終盤で相沢が金庫からノートを取り出す際に列挙された死者の画像から、単なる自殺を目的としたものであった事が判る。おそらく偽名を使っていた分だけ他のメンバーより罪が重いと魅上に判断されたのであろう。
本当にSPKに打撃を与えたかったのなら、名前の判っているメンバーを操り、名前の判っていないメンバーの写真を撮影させる等の工夫をすべきであった。原作における当時のメロと違い、写真だけで名前を見抜ける「死神の眼」の設定を、夜神・魅上は既に知っている筈なのであるから。
また序盤で夜神総一郎の存命という新設定が匂わされていたというのに、終盤で松田が怒り狂って銃を撃っていたのも、少々残念であった。
「『リライト2』の設定では、夜神月も魅上照も仲介の高田清美も頭が酷く悪く、松田は最近流行のキレ易い若者だったのさ。」と言い張られてしまえば、確かに矛盾だとまでは主張出来ないが、この場合は当該登場人物達の魅力はほとんど失われてしまう。
もう少し知恵を絞って再構成に力を入れて欲しかったし、それが無理ならいっそ普通の総集編にして欲しかったものである。
天才でない人物が無理に『DEATH NOTE』を真似て天才を描こうとして失敗した『LOST+BRAIN』(小学館)を、単なる他人事だと思い込んで教訓に出来なかったが故の悲劇であると言えよう。
- 作者: 小畑健,大場つぐみ
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