新領域創成科学研究科の第1回市民講座

 東京大学大学院新領域創成科学研究科の第1回市民講座(http://www.k.u-tokyo.ac.jp/news/kouza/index.html)に行ってきました。
 予定されていた講演時間は僅か一時間だった上に、黙祷や科長の挨拶等でその25%が費やされたため、内容の薄さが心配されました。
 しかし質問者の人数を限らずに、質問時間だけで一時間も延長をしたので、結果的に非常に中身は濃くなりました。柏キャンパスは都心からかなり離れた所に在り鉄道の駅からの距離も遠いためか、受講者の中には冷やかしらしき人物(例→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110310/1299764586)も見られず、質問は粒揃いでした。
 本日最大の収穫は、「今年の夏は夜中の節電も有意義だ。」と知った事です。東京電力は、夜中に余剰電力で水に位置エネルギーを与えておいてピーク時にそのエネルギーを回収する「揚水発電」を計画しているとの事です。
 とはいえ、揚水発電施設には限りがあるでしょうし、エネルギーの30%は失われるらしいので、夜出来る事は夜にやった方が良いという事に変わりはなさそうです。
 もう一つの収穫は、十年後には家庭に代表される電気の小口利用者にも「スマートメーター」なるものがつき、緊急時にはブレーカーが落ちる限界値を平等に一斉に低下させられるようになるそうです。これは確かに計画停電より便利そうです。
 こういう情報に接すると、「やはり工学は素晴らしい!」と思います。私みたいなのが既存の文明の範囲内での対症療法(例→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110316/1300268047)を必死で考えている最中に、文明そのものを変えてしまうんですから。