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これは第96話「大勝負!サクラvs錯乱坊!!」が112話以前の出来事である事が動かせないという前提に立った上で、無理に整合をつけようとして失敗した結果であると思われる。
これに対し、第130話でサザエ時空がほぼ解決された(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110501/1304259835)やまざき版『うる星やつら』では、この種の過去の放映作品との安易な整合を狙った失敗は、原則として起きていない。
二つ程例を挙げる。
アニメオリジナル作品である第135話「弁天&竜之介 明日に向かって走れ!」では、弁天と藤波竜之介が気心の知れた相棒として描かれていた。そして弁天は竜之介の性別を知っていた。そして第183話「竜之介vs弁天!むなしきお色気大決闘」では、135話の内容に全く囚われずに、原作に忠実に二人の初対面と対立とを描いてみせたのである。「これは二人が初めて出会った頃の話である。」等のナレーションも、一切無かった。
原作の影響が濃い第95話「ラムちゃんの理由なき反抗」は、クラスのカンパを集めて映画を制作し始めるも、金が足りなくなり、映画への介入を条件に面堂に資金援助を仰いで何とか完成させるが、完成作品は駄作だった、という話であった。そしてその後、アニメオリジナル作品として第141話「堂々完成!これがラムちゃんの青春映画」という、上述の特徴を全て兼ね備えた内容の話を放映しているのである。
ところが非常に残念で、また非常に不思議な事に、最終回である第218話「オールスター大宴会!うちらは不滅だっちゃ!!」では、突如過去の放映作品との下手な整合という失敗が繰り返されているのである。
無名の生徒同士の会話として、「しっかしうちの学校も暇だなぁ!」「仮装大会なんてなぁ、前にもやったよなぁ。」と言わせてしまっている。これは第197話「花嫁がほしい!!キツネの恋の大冒険!!」を意識しての事と思われる。
いくら友引高校とて、一年に二度仮装大会を開くというのは、少々無理がある。130話の精神に基いて197話を無かった事にする事は、上述の二例から見て、十分可能だった筈である。
どうしても197話の系譜を引く作品として218話を位置付けたかったのならば、主催者を学校から面堂家等に変えれば、特に無理は無かった筈である。そしてそもそも、別に仮装大会が最終回である必要は無いのである。原作の他の話を基にする事も出来たであろうし、押井版と同じくオリジナルストーリーで集大成を完成させる事も可能だったであろう。
テレビ版『うる星やつら』の最終回は、実に残念な出来であったと言わざるを得ない。
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