筑波山

 筑波山に行きました。
 先ずは筑波山神社大御堂から見学。


 これは天狗党の藤田小四郎像です。武装蜂起して若くして死んでいった指導者ってのは神格化されやすいですよね。過激派の死刑囚をなかなか殺さないのはそれが理由だという説を以前読んだ事があります。
 その後、ケーブルカーで男体山の頂上付近まで行きました。筑波山には頂上が二つあり、男体山と女体山に分かれています。

 ケーブルカー乗り場には、パワースポットがどうしたとかいう観光関連のポスターも貼ってありました。筑波山神社の神官も協力しているそうです。「一過性の迷信を伝統ある宗教が利用するとは何事か!」と怒る人もいるでしょうし、「逸早く最新の信仰の形態を方便として取り入れるとは流石!」と思う人もいるでしょう。

 これが頂上付近からの景色。清々しいです。
 次に男体山の頂上を目指しました。途中でこんな立札が・・・。

 環境省環境庁だった頃のものです。「法律により罰せられます」とありますが、何法の第何条によってどんな罰が下されるのかは書いていません。出来損ないの振り込め詐欺の手紙みたいな文面です。おそらく法律が改正される度に山奥まで文面を修正しに来るという手間を省こうとしたのでしょう。「怠慢だ!」と怒る人もいるでしょうし、「人件費の節約が御見事!」と誉めそやす人もいるでしょう。
 嶮しい岩場を登りきって漸く辿り着いた頂上で、社の写真を撮ろうとしたのですが、蜂が襲ってきたので逃げました。

 ケーブルカーの駅付近に戻ってきました。その時見つけたのが昭和天皇御製の和歌の碑でした。資金を出した人の名前と和歌を書いた立札も添えられていました。
 さて、続いては女体山の頂上を目指しました。

 途中で出会った、ガマの顔に見える岩です。なお、ガマ文化にはこの後にも出会う事になります。

 女体山では蜂に襲われる事も無く、安全に写真を撮れました。この社の裏手には天浮橋を模した橋があります。というのも実は男体山・女体山それぞれの神は、イザナギイザナミの別名でもあるのです。つくば新聞のこの記事(http://www.tsukubapress.com/mttshrine.html)によると、渡れるようにするための改修工事が終わったのは2009年との事。これは有り難い。
 この後、ジュースを買うためロープウェイ乗り場に行って戻ってきました。その後はつつじヶ丘駅を目指してひたすら下り坂を楽しみました。下りの方が疲れるという人もいますが、私は下り坂が大好きです。
 山頂より随分下った場所に、「高天原」という場所がありました。行ってみると天照大神が祭られていました。皇祖といえど、その父母から見れば格下って訳ですね。

 しかしまあ、こんな安っぽい工事をされたのでは、流石に悲しくなりますね。誰かの代わりに私が「御免なさい」と祈ってきました。昔の軍歌の歌詞には、「大和魂一筋に国に心を筑波山」なんてのもあったのですが・・・。
 憂国の情に耽っていたらもう夕刻です。いつまでも幽谷にいる訳にもいかない・・・。冗談はさておき、この時間帯以来、めっきり他の登山客に出くわさなくなりました。

 弁慶が落石を怖がって七回引き返したと言われるルートです。七回引き返すぐらいなら回り道をすれば良いのに・・・。
 つつじヶ丘駅付近まで降りると、遊園地らしきものが見えてきました。何となく廃墟っぽいです。昼間は動いているのか、金を入れると動き出すのか、それともやっぱり廃墟なのかは、調べてみる気にもなれませんでした。

 このお化け屋敷も、運営しているんだかしていないんだか・・・。少なくとも自分の手で扉を開ける気にはなれませんでした。

 最後の下山道は、かなり緩やかでした。そのためか、木々が今までのルートと比べて密にスクラムを組んでいて、木漏れ日が少なく、暗かったです。

 筑波山神社の裏手に着きました。
 八割方下り坂だったので特に疲労感も無し。御陰で下山後は筑波大に行って筑波大関係者と夜中まで歓談も出来ました。