『牙狼<GARO>〜MAKAISENKI〜』全話視聴計画(第22〜24話)

牙狼 <GARO> ~MAKAISENKI~ vol.8 (初回限定仕様) [Blu-ray]

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第22話 盟友
 邪美・烈花・カオルは鋼牙を救うためギャノンの体内に入る。
 ここでシグマの使い魔であるギギが邪魔をしに来る。今まで単なる連絡役ばかり務めていたギギだが、実際には大変強く、邪美と烈花は二人掛かりで何とか勝つ。
 シグマがもっと上手に彼女を運用していたならば、とっくの昔に鋼牙を殺せていたかもしれない。ラテスの粛清を無意味に先倒しして失敗した件といい、シグマは常に鋼牙を過小評価してしまっていた感がある。
 シグマ同様、零も過信の塊である。自分とレオだけで事件を解決しようとしていた彼だが、自分・レオ・ワタルの三人掛かりになっても、エネルギー切れ寸前のシグマに対して劣勢であった。
 第7話で破滅の刻印で弱体化していたのにシグマとほぼ対等に渡り合った鋼牙と比較して、零が随分弱い事が判明した。前作でこそ二人の力はほぼ拮抗していたが、あれは天才的教育家の道寺によって既に限界近くにまで実力が引き出されていた結果と見るべきなのだろう。
 今回は号竜人にも目立った改良が施されていた。骨組みだけでも動ける様になり、しかも骨組みだけになった状態の方が今までよりも強い。
 シグマはイデアを真魔界で運用し、多数のホラーを焼き払う。この行為を随分誇るのだが、そもそもホラーとは何度でも復活するものであり、イデアの長所は地上に出現したホラーをその瞬間に倒す事にあった筈である。この巨砲に何の意味があるのかは良く判らず、どうにもコンセプトがはっきりしない。
 他にも、操縦室の高笑いが大音量で外部に放たれたりと、色々と無駄な機能が多い。
 終盤、屍だったギャノンが復活してシグマを取り込んでしまう。
第23話 金色
 ギャノンがシグマのみならず、イデア全体を取り込んでかなり強力になる。前作でメシアを倒したのに今作では「メシアの牙」ことギャノンが敵では、どうにも格落ちではないかという印象があったのだが、これなら十分見応えがある。
 ギャノンは地上に多くのホラーを送り込む。地上で待機していたゴンザ達はこれに襲われる。邪美・烈花は、カオル・ゴンザを守りきれない。そこにシグトが援軍として現れる。
 シグトはゴンザの前に居たホラーと魔導筆で押し合いを始めるが、やや押され気味となる。しかし後ろからゴンザの力が加わると、簡単に勝ってしまう。
 シグトは礼を言い、ゴンザは「どういたしまして。」と言う。傍から見ていると救われたのはゴンザの方だが、礼儀正しいゴンザがここで「こちらこそ。」と言うべきだったのを言い間違えたとも思えない。ゴンザは本当は強いのにいざという時まで韜晦を貫いていたという事が、シグトは瞬時に理解出来たのであろう。そしてゴンザも、下手に「こちらこそ。」等ととぼけてしまうと、口の軽そうなシグトがゴンザの強さをカオルにばらしてしまう事が予測されたので、「どういたしまして。」と言ってお茶を濁したものと思われる。
 真魔界での戦いには、翼やその他の騎士も援軍として参加する。しかし魔導馬を召喚出来たのは鋼牙・零・翼の三人だけ(ワタルは負傷さえしていなければ召喚出来た可能性もある)。鋼牙は割とあっさり攻略した「試練」だが、あれは想像以上に難しいのかもしれない。前作第十四話の、魔導馬を使えるのは鋼牙と零しかいないという三神官の発言も、あながち嘘ではなかった様だ。
第24話 時代
 ギャノンは首尾良く倒せたが、そこから脱出したシグマが鋼牙に復讐しに来る。
 冴島邸に結界を張ってレオの侵入を阻み、鋼牙と一対一の状況を作ったまでは良かったのだが、何故か邸を空中に浮かせるという作業まで追加する。これによって結界の力が弱まったのか、結界の穴が露出したのか、まんまとレオは邸に入ってしまう。第22話で指摘したイデアの大砲やスピーカーといい、シグマはとことん無駄が多い。
 強いてこの空中浮遊を擁護するならば、空中で戦えば負けても鋼牙の転落死によって引き分けに持ち込めるかもしれないと思ったという仮説が思いつくが、これはこれでかなり情けない。
 前作でも、強大なボスを倒した後、そこから飛び出したかなり弱い形式上のラスボスが登場したので、少々消化不良気味の気分になる終わり方であった。この形式上のラスボスが魔戒騎士の変身を防ぐという特技を使う所まで同じだったので、あわや前作最終話の悪夢の再来かとも思えたが、今作ではこの最終決戦にそれなりに深い意味を持たせていたので、そこそこ楽しめた。
 人間を斬らないのがモットーの鋼牙だが、この戦いでは信念を持ってシグマを斬り殺す。逆恨み等の負の感情が高じて人間的な判断が出来なくなった者は、仮にホラーに憑依されていなくても、「みなしホラー」として扱う事にしたのであろう。