巨大ギガスの記録抹消は、水爆がらみの情報操作か?

 まずはこの写真を見て頂きたい。『ウルトラマン』第25話の一場面を撮影したものである。

 山々の向こうに見える怪獣は、「ギガス」という。公式設定では身長40メートルだが、どう見ても設定より遥かに大きそうである。
 第25話は行方不明になっていた六個の水爆を探す話であるので、何らかの情報統制が敷かれている可能性はある。
 しかし別の場面でのギガスは、確かにレッドキングと同程度の大きさであり、そのレッドキングも身長40メートルのウルトラマンと同程度の大きさなので、公式設定も全くの捏造ではなさそうである。
 そこで私は以下の様な仮説を立てた。「巨大ギガスはドラコやレッドキング科学特捜隊と戦った通常のギガスと同種族の別個体である。」
 こういう考察に対しては、「縮尺の無視なんて、昔の特撮にはよくある話さ。それを真面目に考察するなんて餓鬼っぽいぞ!」という反論が想定される。
 しかしこの異常な縮尺はミスではなく、制作側が意図的に発したメッセージだった可能性が残されているのである。
 この物語で紛失中の水爆は六個である。だが物語を表面的に追っている限り、六個である必然性はどこにもないのである。この物語における水爆の役割は、前半では彗星ツィフォンの宇宙線のせいでひょっとしたら爆発するかもしれないという恐怖であり、後半では水爆を飲み込んでいるレッドキングに迂闊に攻撃をすると大惨事になるという恐怖である。もしその予測される被害を強調したいのであれば、「通常の六倍の水爆」とでも言っておけば良い筈である。
 何故敢えて個数を強調したのか?もうお分かりであろう。レッドキングが飲み込んでいて終盤に宇宙空間で爆発した水爆が、紛失していた水爆の全てではないという可能性を、一部の人に気付かせるためである。
 問題の場面の巨大ギガスは、紛失していた六個の水爆の内の一乃至五個を飲み込み、更にはその力を取り込んで突然変異した個体だったのではあるまいか?
 最終的にこの個体がどうなったのかは不明だが、おそらく反核運動に利用されないため、情報統制が行われたのであろう。というのも、この物語の最後は、「計算では3026年7月2日にツィフォンが地球に衝突するだろうけど、その頃の人類なら何とか対応出来るだろう」という形で終わっているのである。代替手段が編み出されるまでは、そう簡単に核を放棄出来ないのが、この世界の人類なのである。

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