フリー編集者「福島志野さん」の推薦本、大川隆法著『天才打者イチロー 4000本ヒットの秘密 プロフェッショナルの守護霊は語る』(幸福の科学出版・2013)を読んだ。

 リアルライブの「ひそかに“あの世”ブーム到来か!?」という記事(http://npn.co.jp/article/detail/42555577/)で、フリー編集者の「福島志野さん」という人が大川隆法著『天才打者イチロー 4000本ヒットの秘密 プロフェッショナルの守護霊は語る』という書籍を推薦していた。
 因みに福島志野さんは「編集者 福島志野」で検索してもその業績が全く登場しない謎の人物である。ひょっとしたら「福島市のフリー編集者さん」のアナグラムなのかもしれない。「な、なんだってー!」
 興味を持った私は実際にこの本を入手して読んでみた。
 内容はと言うと、著者がイチロー氏の守護霊を自分に憑依させ、幸福の科学職員と対談するという、定番の形式である。
 余談だが、「本当にそんな能力があるのならば、たまには外部の人間と対談すれば良いものを・・・。」と、いつも私は思ってしまう。
 一度の発言の中でもしばしば改行があり、発言者が変わる度にわざわざ一行空白にするので、中身はスカスカである。よって幸福の科学の信者のみならず、「俺様はXページの本をY分で読んだぜ!内容もほぼ暗記した!」と自慢したくてたまらないが嘘を吐きたくはないという人にも適した書籍であると感じた。
 17ページではイチローの守護霊を憑依させる前の著者が、「ちなみに、「どこそこのチームとのゲームで、何対何だったときに、どんな感じで打ちましたか」などと、(野球について)あまり細かいことを訊かれても、私には分からないことがありますので、そういうものはご勘弁ください。」と言っていた。守護霊の発言内容が著者の知識の範囲内に限定されるのであれば、「これぞ霊言の証明! たけし本人しか知るはずもないエピソードが!」とかいう煽り文句でビートたけし氏の守護霊の霊言をしたのは、一体何故なのだろうか?
 149ページでは「イチロー守護霊」とやらが『スター・ウォーズ』シリーズのライトセーバーについて「あれが使えるのは特殊な人……、何て言うんだっけ?」と聞き、綾織次郎氏が「ジェダイの騎士です。」と答えていた。だが『帝国の逆襲』ではジェダイの騎士ではないハン=ソロがライトセーバーを使用している。
 なお、前掲のリアルライブの記事の福島発言の引用では「塚原朴伝」という拘りのある表記で登場した人物が、128ページでは一般的な「塚原卜伝」の表記で登場していたのも、興味深かった。この件について何の断り書きも無かったという事は、おそらくリアルライブの記者は、読者にはこの奇怪な書籍を薦めておきながら、自分では読んでいないのであろう。中々に狡猾な判断である。
ビートたけしが幸福実現党に挑戦状

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