鎌倉横断

 鎌倉観光は何度もしている私ですが、昨日は東西の移動ばかりするというやや変則的な観光をしました。
 午前中は鎌倉観光マップの西端に近い所に行きました。
 まずは東郷平八郎による「四條金吾邸址」という揮毫の彫られた石碑のある収玄寺。

 美しい梅が印象に残りました。
 続いて行ったのが長谷寺です。

 門前の大木に圧倒されました。

 池の周辺の美観も見事!

 千体地蔵だそうです。宗教的意味は解りません。聞いてみれば良かったです。

 寺から眺めた朝の由比ヶ浜

 ここは「輪蔵」です。一切経が収納されており、回転させると一切経を読んだのと同じ功徳が得られるそうです。でも貴重な文化財なので劣化しないように月に一日しか回してはならないそうです。
 現在ならば一切経の複写ともう一つの輪蔵の設置は簡単でしょうから、本当にそんな功徳が得られるのならば隣にもう一つ置いて欲しいものです。

 四天王や仏足石もありました。
 写真には取りませんでしたが、他にも不動明王や弁天窟もあり、仏教関連のものが幅広く集められているという印象を受けました。
 弁天の従者の中には、その本体が釈迦だったりする者もいて、仏教における序列の複雑さを改めて実感しました。
 続いて行ったのが鎌倉の大仏です。意外にも、生まれて初めての経験です。

 両手の形まで含めて、余りにも徹底したシンメトリーが実現されているので、つい真正面からこうして撮影したくなります。ブログにこういう写真を載せている人は実に多いです。
 でも、真正面から見るだけでは勿体無いですよ。位置を変えるとまるで違った表情を楽しめます。

 なお20円払うと、大仏の中にも入れます。
 次に行ったのが鎌倉文学館です。元々は前田侯爵家の別邸で、三島の『春の雪』にも登場した事で有名です。

 鎌倉に居住した作家の様々な資料が置かれていました。
 ここから一気に鎌倉観光の東端に近い地域にまで移動しました。
 まずは浄妙寺


 なんとこの寺の境内には、西洋風の雰囲気の良いレストランがあります。「石窯ガーデンテラス」といい、石窯で焼いた美味しいパンを出してくれます。

 ワインか鎌倉ビールを注文したくなりましたが、何となく寺の内側で酒を飲むというのは悪い気がして、結局注文しませんでした。でもサラダに付いてきた獣肉のソーセージはしっかり頂きました。

 これが今回の残念賞、鎌足稲荷社です。藤原鎌足が鎌を埋めた所らしいです。やはり浄妙寺の内部にあります。
 「散々石段を登った後に小さな社を見せられるだけだからやめておけ。」と言われていたのですが、つい寄ってしまいました。忠告は真実でしたが、私が残念に思ったのはそれが理由ではありません。
 社の由来の説明文の英訳が酷かったのです。
 まず藤原鎌足の冠位である「大織冠」が単に"Lord"と訳されていました。大織冠は冠位十三階の最高位であり、鎌足以外には授けられた記録が無いものであり、鎌足の別名としても使われているという、非常に格式高く由緒ある冠位です。こんな訳ではそういった背景がまるで伝わりません。
 他にも、「天智天皇」が"Emperor Tenchi"と訳されているのに、「中大兄皇子」は"oji"の部分まで全部ローマ字表記になっていました。もう何が何だか・・・。
 おそらく観光地にあるこの類のふざけた英訳というのは、外国人の便宜のためである以上に、日本人に向けた「この施設は外国人が来る程有名なんですよ。」だの「我々は外国人にも気を配っているのです。」だのというアピールが目的なのだと思います。
 この後、再び西へ進み、鎌倉駅を目指しました。
 前回(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20130927/1380281861)も行った荏柄天神社にも再び行きました。

 やはり天神様には梅が似合います。
 最後は、これまた前回も行った宝戒寺。

 「萩寺」の異称がある寺ですが、梅の花のトンネルも中々のもの。

 しだれ梅はまだ二分咲きといった所でした。「鎌倉の梅を見逃した!」と思い込んでいた方、今週末あたり如何ですか?

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

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