見破り方を兼ねたサイコパスからの逃げ方(やや実践編)

 一般に「悪人」とされる人物の中には、普通の悪人とは質の違う「サイコパス」という連中が混じっていると知ったのは、数年前の事である。知ってから大急ぎでそういう連中との縁を切る努力に全力を費やして、成功した。これは過去の記事(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110527/1306508354)に書いた通りである。
 当時は自己流で無我夢中に逃げたので、ノウハウの様なものは作れなかった。誰かの役に立てばいいと思って書いた「逃げ方」の記事(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20131011/1381497351)も、最初の決断を後押しするための精神訓話以上のものは書けなかった。
 しかしその後もサイコパス関連の研究成果を読み続けた結果、私が当時採用した行動の一部には偶然にも大正解があり、また逆にかなり危ない橋も在ったと判ってきた。
 今回は少しだけ実践的なマニュアルも書けると思う。ただし所詮は素人の体験談に毛が生えた程度のものなので、くれぐれも機械的な真似は避け、参考程度に読んで欲しい。
 
 サイコパスという概念を知り、それらから逃げると決断した次の問題は、絞込みである。
 慣れないうちは、悪人全部がサイコパスに見えてしまったり、逆にサイコパスがただの悪人に見えてしまったりする。これでは折角新しい概念を学んだ意味が無い。
 そこで、権威ある研究者の多くが概ね日本人のサイコパスは人口の約1%だと言っているのだから、自分の人間関係から計算してその程度に絞り込めたら、とりあえずほぼ正解だと信じるべきであろう。
 なお、「サイコパスには男が多い」等の情報もあるので、男子校や刑務所等の特異な環境に居るのであれば、目標を自分で微修正するべきである。
 
 目標数を定めたら、次に問題になるのが境界線上の連中の処遇である。
 「金を騙し取ってきたが、後からきっちり謝罪に来た」等の場合、本当に人間関係を修復しようとしているのか、海老で鯛を釣ろうとしているのか、判り難い。
 こういう連中の処分を誤ると、また騙されたり、あるいは逆に人脈を無駄に減らしてしまう。
 私がこういう連中に対して採用した行動は、後で偶然にも大正解だと判った。
 それは、「常人なら大した手間ではないやや面倒な義務を試練として課す」というものである。
 私は謝罪に来た(元/現)詐欺師たちに、「また信じて欲しいなら、口頭ではなく誠意のこもった詫び状を自筆で書いて下さい。あと血判も押して下さい。その内容次第で信じます。」と言った事がある。
 最初にこれを言った時は、一時的にでもいいから目の前から消えて欲しいという思いからの窮余の一策であった。そして「どうせ筆先だけの美辞麗句を連ねた文章を書いて、二時間位したら持ってくるのだろう。ああ面倒だ」と内心で思っていた。
 だが、この篩は大当たりだったようで、最初の一人はこの発言を聞いた途端に急に慌てだし、私との関係修復を諦めて大急ぎで去っていった。
 その後も似た様な状況でこの篩を使い続けた結果、自分の人脈の約1%だけがサイコパスとして認定できたのである。しかもこの篩にかけられたサイコパスは自発的に私との人脈を絶ったという意識があるせいか、ストーカー化等はしなかった。
 
 後から知ったのだが、サイコパスは投資の天才らしい。誰かを利用して楽に金儲けをする事ばかりを考えているそうなのだ。だから「私から奪おうとすれば奪えるかもしれないけど、そのための手間を考えると、時給はかなり安くなっちゃうよ」というメッセージを全力で出したのは、「私から奪うのは無理だよ」という挑戦的なメッセージを発するよりも、余程効果的だったのである。
 
 再三注意しておくが、これはあくまで一般論である。常にこの技法が通用するとは限らない。自分の状況に合わせて、参考程度に使って欲しい。
 例えば自分の財産が大きければ大きい程、誓約書執筆等の時給は高くなってしまう。そうすれば面倒くさがり屋のサイコパスたちも、頑張って文章を書くかもしれない。
 現にあの有名な松永太は、緒方家を乗っ取る前に、前妻と離婚をするという誓約書を書いて提出したらしい。