『復活のF』で亀仙人がフリーザ軍の一般兵一人よりは強い事が判明し、しかも公式設定でそれが以前からの本来の強さであったと語られた。
フリーザ軍の一般兵といえば、戦闘力1000のナメック星人よりは強く、3000のナメック星人よりは弱いので、一般に戦闘力は2000前後と見積もられている。
このため、「何故戦闘力の公式設定が1500のラディッツに抵抗してくれなかったのか?」という議論がある。
だが私はこの質問自体がおかしいと思っている。
亀仙人は元々そういう性格だった筈だ。レッドリボン軍がどれだけ悪事を行い、それが耳に入ってきていても、自分の住む島が荒らされない限りは放置し続けていた。自分の島に侵攻をされた後も、倒したのは上陸部隊のみである。更には、自分の二番弟子である牛魔王の悪事の噂を聞いても、偶然再会の機会があるまで放置していたのである。
よって「何故ラディッツに・・・」等という質問をする者には、私はこう問い返す。「そんなに亀仙人の利他精神を自明の前提にしているのなら、何故「そんなに強いなら何故レッドリボン軍に抵抗してくれなかったのか?」と以前から聞いてくれなかったのか?」と。
亀仙人は「仙人」と称するだけあって、世俗を無視する逸民なのである。寧ろ旧ピッコロや新フリーザの部下と戦ってくれた時の方が例外なのである。
姉を通じて死後の世界の存在を知っているから、悪人が一般人を殺しまくっても、それを大した悲劇だとは感じないのであろう。
ここまで読んでくれた人の中には、「では何故旧ピッコロと新フリーザの部下とだけは、例外的に戦ってくれたのか?」と思う人も多いだろう。
旧ピッコロに立ち向かってくれたのは、魔族に殺された者は天国にも地獄にも行けないと知っていたからであろう。
そしてこの時に、月さえも38万kmの彼方から破壊し、フリーザ軍の一般兵を軽く凌駕する、あの真の実力を発揮せずに魔封波に頼ったのは、ピッコロを殺すと神も死ぬという事を知っていたからであろう。神とピッコロの関係は、カリンと知り合いにさえなれば機密でも何でもない情報であり、現に悟空もカリン経由でこの情報を得ている。
また新フリーザは地球の破壊を目論んでおり、彼の発言を信じるならば、地球が消えるとその付属の地獄も消滅する設定であった。これまた、現世での人の命には余り頓着しないがその魂の永久消失は防ごうとする性格の人物が抵抗をしたくなる様な相手ではないか!
以上により、牛魔王・レッドリボン軍・サイヤ人を放置して、旧ピッコロには相手が死なない程度に抵抗をして、新フリーザには懸命に立ち向かった亀仙人の態度は、極めて一貫性のあるものだと私は考えている。
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