ファシズム政党の新登場を上手に警戒するマスコミがないのは残念だが仕方がない。だから私は非力ながらもネットで警鐘を鳴らす。

 インターネットで意見を表明する者の多数は、その媒体自体が新奇である事の影響からか、政治における思想の傾向とは別個独立に、概ね既存のマスコミのあり方に非好意的である傾向が見られる。
 そうした中で、私はマスコミ全体のあり方に対して好意的である少数派であった。
 確かに個々のマスコミには偏りがあり、またそれがテレビである限りにおいては放送法との間で問題が生じるが、マスコミ全体を見れば時の与党も野党もほぼ均等に批判されてきたのであるから、総体として権力の監視は巧くいっていると感じていた。
 そしてこうした社会では既存の政党がファッショ化するのは困難であろうし、仮にそれでもファッショ化したならそうなるための余程の正当性があったのだろうと諦めもつくだろうと考えていた。
 しかし最近になってこの現状に満点を与えられなくなってきた。
 それは、ファッショ政党が突然出現する条件が整ってきたからである。
 具体的には、内閣が「他に代わりがいないから」と考える人々によって細々と支えられているのに、野党の支持率もさっぱり上がらないというこの状況についての話である。
 こういう状況では、既存の政治に絶望した人々が珍奇な新政党に一気に期待を寄せる危険性が高い。
 そういう新党が何故危険なのかを一言で説明するならば、「しがらみが無いから」である。大きな圧力団体を持たないのに漠然とした期待感だけで成り立っている政党というのは、様々な人々の利害の調整をせずに、とんでもなく大胆な行動に出る場合が多いのである。
 そうした大胆な行動が既得権を一気に破壊する事もあるので、私はファッショ的新政党が「悪い」とは表現しない。ただし概して悪い場合が多いので、「危険」と表現する。
 現に最近では立党直後の希望の党立憲民主党が、一時的に絶大な人気を集めた。これが利害得失を計算した上での冷静な支持ではなかった事は、現在の彼等の支持率を見れば明らかであろう。
 元々十年以上前から、「永田町の変人」や「宇宙人」に一時的に人気が集まり、小泉チルドレン小沢ガールズ等、通常の手段では当選が困難だったであろう人々が一気に政治家になるという、ファッショの兆候らしきものはあった。ただしそれは既存の大政党内での出来事であった。
 その兆候が今、新党という形で表現されはじめた。ただしこれも既存の大政党からの分裂という形をとったので、まだ危険度は低い。
 しかしこのまま行けば、次は完全な新党の形をとってこの現象が起きるであろう。その時は、何の実績もない者達が「何のスキャンダルもない者達」として受け止められ、特定の支持母体を持たない者達が「国民全体の利益を考えてくれる者達」として受け止められるであろう。
 だが既存の与野党の権力者をバランスよく批判しているだけでは、未だ登場していないこの未来の新党の芽を摘む事は出来ない。
 そうした訳で、長年「総体としての日本のマスコミ」にほぼ満点を与えてきた私も、そろそろ「足りない部分がある」と考える様になってきた。
 しかしだからといってマスコミに「その足りない部分も頑張れ」と圧力をかけるのは御門違いであろう。下手をすれば、単に既存の政党への監視が緩くなるだけで終わってしまいかねない。
 そういう訳で非力ながらも自分で、「しがらみの無い党は危険だぞ〜!」と発信していく事にした。まあほとんど影響力は無いだろうが、やるべき事を自己満足的にやっていく。
 もっと良い方法があるというなら参考にするので、コメントでもブックマークでもいいので書き込んで欲しい。