四門出遊を果たした大川宏洋氏について

 幸福の科学の教祖の長男の大川宏洋氏が、教団を辞め、教団との今後の付き合いを否定しまくる動画を発表した。

 宏洋氏については、多くの教団ウォッチャーが「最近では主流派に屈した」と見放す中、私はブログでも実生活でも熱心に「彼が主導した映像作品を観る限り、まだ理想を捨てていない筈だ」と言い張り続けていた(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20170603/1496487485)。今回の事態はこの予言が当たった事になる。
 当たったのだから驚きは無いかというと、そうでもない。時期や手法については驚きがあった。まさかこんなに早く、こんなに大胆に反旗を翻すとは思わなかった。
 自分が彼の立場であったら、おそらく内側から徐々に変えていく手法を取っただろう。
 仮に外側に出るにしても、アンチや被害者の会や他教団の力を利用しようとしただろう。だが宏洋氏は後半で彼等との連携まで否定した。これは凄い。
 まず自分が飢え死にもせず過激派にも殺されない立場を確保した後に、その範囲内でようやくボランティア精神を発揮するのが私を含めた凡人である。その凡人の思考法を宏洋氏にも勝手に当て嵌めてしまっていた。
 ここは潔く宏洋氏に謝罪する! 御免!
 元々貧しい家に生きていた者が四門出遊をしても、他人への影響力は低い。釈迦や宏洋氏の様に、そのまま父親の創ったファンタジックな世界で夢を見続ける事が出来た筈の者が四門出遊をしてこそ、その小型版の夢を見ていたり目指していたりする者を目覚めさせる事が出来るのである。だがそれには膨大な勇気が必要となる。
 以前、「日本で一番釈迦に似ているのは豊臣秀吉だ」という内容の記事(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20150111/1420908209)を書いたが、今後の活躍次第では宏洋氏こそが一番似ていると評価を変えるかもしれない。
 今後の世間は、宏洋氏を不当に干さずに、かつ堕落させる程には甘やかさずに接していくべきだろう。そうあってこそ、第三第四の仏陀の誕生を誘発する事が出来る。
 
 さて、総論としては褒めたが、私はどんなに称賛したい作品でも批判すべき箇所は批判し、どんなに批判したい作品でも賞賛すべき箇所は称賛するブロガーである。上に紹介した動画の問題点も指摘しておこう。
 9分9秒頃から、幸福の科学所属のある女優の写真をおそらくは勝手に使っている。
 ここまでは戦略としてよい。もしも教団が訴えてきたら、「霊言集とかいって生存中の被害者の写真を勝手に使用して発売したのはどこの誰だ?」と言い返せるからだ。
 だがその後も何度か、教団に所属しない別の女優の写真を使っている。これはやめておいた方がいい。
 10分14秒頃に、字幕で「火の鳥(復活篇)」と出ており、左上でも復活篇が収録された火の鳥の本の写真が貼られているが、語られているエピソードの内容は、猿田博士が自分に忠実な性的なアンドロイドを大量生産するという、『未来篇』のものである。しかも猿田博士を「猿田彦博士」呼んでおり、『黎明篇』との混同も見られる。
 11分44秒頃に、「これまだ本当は言っちゃいけないんですけれども、」と前置きをしていながらペラペラとその言っちゃいけないことを話している。言っちゃいけないなら、言うべきでないだろう。

火の鳥2 未来編 (角川文庫)

火の鳥2 未来編 (角川文庫)

火の鳥1 黎明編 (角川文庫)

火の鳥1 黎明編 (角川文庫)