2018年の世界の民主主義指数ランキングを眺めて考えたこと

1.はじめに

 有名なエコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる2018年の世界の民主主義指数ランキングを眺めた。

 前にも少し書いたことだが*1、私はこうした世界規模の取材力と広範な支持に裏打ちされた権威あるランキングを原則として概ね信じる事にしている。だから本稿もそれを前提に書いた。

 エコノミスト・インテリジェンス・ユニットを上回る見識を持っていると自負される方は、どうぞ御勝手にユニットごと私を馬鹿にして欲しい。

2.日本の手本について

 毎年の事だが、やはり北欧諸国の評価が高い。北欧を手本にするのが理想であろう。

 とはいえ、言語的な障壁があるのは否めない。

 たまたまノルウェー語ができる指導者の言いなりになるというのでは、民主主義運動として邪道であり、それがまた新たな非民主要素の火種になりかねない。

 そうなると英語圏で健闘している、4位のニュージーランド、6位のカナダ、9位のオーストラリアあたりを手本にするのが現実的ということになる。

3.外道な韓国マニアの弊害

 韓国マニアの中には、親韓・嫌韓に狂ってしまった人たちがいる。

 日本と比較した場合の韓国の良さや悪さを宣伝する場合、通常の親韓派・嫌韓派は「過去に起きた原発事故の被害の総計」とか「ノーベル賞の累計数」といった本当に大差のある話題を使うものだが、外道になると本当は大差の無いものまで大差があるかのように大げさな宣伝をし始める。

 その一例が、「日韓どちらかの民主主義が遥かに相手より優れている」という宣伝工作である。*2

 そういう意見に流されがちな人は、是非このランキングにおける日韓の順位を眺めて落ち着いて欲しい。日本は22位、韓国は21位である。

4.もっと酷い、アメリカ崇拝

 とはいえ、「韓国から民主主義を学ぼう」という連中*3も、老人に多い「民主主義といったらアメリカ!」論者よりはマシのようである。

 今回アメリカは日本にすら劣る25位であった。

5.「中国は悪い手本」はもう古い

 民主主義を語る際に、逆に悪い例としてしばしば日本で出されるのが北朝鮮と中国である。

 この内、北朝鮮については確かに最下位の167位である。

 しかし中国は130位であり、139位のベトナムや144位のロシアより民主的である。

 よって悪い例を二例挙げる場合、本当に公正にするなら「北朝鮮とシリア(166位)」となる。日本人に解りやすいように日本の近隣諸国限定で二例挙げる場合も「北朝鮮とロシア」が正しい事になる。