怒りの効用 私自身は二度と活用できないが

 9月から弊害の大きな記事を大量に削除または非公開にすると予告しましたが*1、中でも仏教の助けを借りて貪・瞋・痴を一気にほぼ消し去る方法論については、記事全体を仮に残しておく場合でも「以下何文字削除」という形で消し去ろうと思っています。

 話を「瞋」の一種である「怒り」に限っても、自分はたしかにこの方法で「怒り」を消し去りました。

 ただし怒りはその瞬間の本人にとっては不利益でも、外部にとっては悪であるとは限りません。最近それを思い知っています。

 怒りを暴力的に発露したのでは確かに外部にとって悪ですが、それは暴力が悪なのであって怒りが悪なのではありません。

 かつてのこのブログでは、「自分が長年100%正しいと思い込んでいたけど、ふと相手にも三分の理があったことに気づいた」という内容の記事を頻繁に書いていました。そしてそういう記事が欠けた理由は、怒りのあまりイヤな思い出を何度も反芻していたからです*2

 最近こういう反省記事がなくなったのは、怒りが消えたせいでイヤな記憶がすぐ消えるようになったからなのでしょう。だから「自分にも配慮不足があったのでは?」と思いなおし成長する機会も消えてしまったのです。

 しかも厳しい修行によって得た境地であれば、修行を怠けることで堕落してまた怒りを取り戻すこともできるかもしれませんが、私の場合は理知的に得た境地なので不可逆的です。まさに「不退転」です。

 本稿では話を自分にとって最高の関心事だった「怒り」に限りましたが、おそらくは貪瞋痴のすべてにこうした側面があるのでしょう。

 なお『ウルトラセブン』の「太陽の背信」という話は、人間の負の感情の効用を描いた名作です。

 やはりgureneko仏教は秘伝にして、相当近しい人にだけ口伝で教えることにしました。

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  • 発売日: 2000/05/24
  • メディア: DVD