さいふうめい原案・星野泰視画『哲也 雀聖と呼ばれた男』の時系列を整理してみた。そして途中で厭になった。

 さいふうめい原案・星野泰視画『哲也 雀聖と呼ばれた男』を再読して時系列を纏めてみた。準拠はコミック版である。

※第1話 昭和19年阿佐田哲也15歳から物語は始まり、昭和20年敗戦時に16歳と明記される。

※第2話 昭和20年16歳の状態で始まり、「そんなある日」印南に会い「横須賀の米軍基地に一年間通った」亀鉄の存在を教わる。よってこの時点で昭和21年9月以降

 ここで「数年後」印南に再会すると書かれるが、後々にこれが問題となる。

※第3話 昭和21年と明記される。横須賀で近藤と組む。

※第7話 まだ昭和21年。ここからしばらく房州に弟子入りし、新宿最強コンビとしてやっていく話が続く。

※第17話 房州が引退し、その「半年後」黒シャツを着た新デザインの哲也の姿が描かれる。

※第18話 昭和22年。ダンチとの腐れ縁の始まり。印南と再会する。別れてから最大限長めに見積もっても1年と3ヶ月弱しか経過していないので、第2話の記述と矛盾。

※第26話 印南との戦いが終わり雪が降る。

 常識的に考えればこのとき昭和22年末であるが、亀鉄を知ったのが昭和22年9月初頭でその後の近藤や房州との関りが数日間で印南との再会がさらにその半年後であったとするならば、昭和22年3月ごろの季節外れの雪の日という可能性もゼロではない。しかしその場合は「数年後」に再会するはずの印南と半年で再会したことになってしまう。

※第27~65話 しばらく時代設定が不明の話が続く。第38話で房州が死ぬ。

※第66話 片山内閣がボチボチ倒れる「らしい」と作中人物が語る。本当に末期であったかは不明であるが、昭和22年5月24日~昭和23年3月10日のある時点であることは確実である。

※第68話 第66話の翌朝なのだが名古屋場所の初日」。その後この名古屋場所は15日間続いた。

 名古屋で本場所が始まるのは昭和33年、準本場所が始まったのも昭和26年であった筈なので、これはあくまでフィクション上の設定だと思う。「片山内閣時代にも名古屋場所があった」という情報をお持ちの相撲ファンのかたからの情報もお待ちする。

※第94話 悪徳警官の銭亀の逆恨みから逃げるため、哲也は一人旅をする。ダンチを主役とした番外編の内容から考えるに、この旅は3ヶ月以上続いた。

※第95話 金沢にて、かつて学童疎開で別れた幼馴染の小夜子と再会する。この再会は4年ぶりだが、一瞬「3年ぶり」と間違えそうになったので、「4年弱」程度であると推測される。

 史実で学童疎開が始まったのが昭和19年8月であるので、その3年7ヶ月後だとすれば昭和23年3月。これ以前に遡りはしない筈である。

 逆に疎開をしたのが昭和20年でありその後4年半経過していると考えても、まだ昭和25年初頭といったところである。

※第107話 金沢での戦いの直後に魚津に来た筈なのだが、漁の手伝いの日当として昭和30年9月1日発行開始のデザインの50円玉を受け取る。

 正直「なんじゃこりゃ」という気分で、そろそろ真面目に検証をするのが馬鹿馬鹿しくなってきた。

※第114話 佐渡島付近の公海上の戦いで、国共内戦が続いているとの設定が語られる。また昭和25年以前の世界に戻ってきた。

※第121話 まだ朝鮮戦争が始まっていないという設定が語られ、昭和25年6月以前と判明。

※第134話 印南が1年前に函館に来たという証言があり、第26話から1年以上経過したことが明らかになる。

※第138話 哲也は旅から帰り、新宿の支配を目指すドサ健との戦いが始まる。

※第162話 ドサ健が昭和11年2月26日に起きた二・二六事件「今から十一年前」と回想していた。よってこの時点で昭和22年2月ごろまで時間が遡ったことになる。

 ここでもう真面目に検証をする気が完全に失せた。サザエ時空より酷い。

※第188話 ドサ健に敗れた哲也はまた旅に出る。

※第279話 二度目の旅から帰還。

※第308話 この時で第38話で死んだ房州の五回目の命日と判明する。昭和28年初頭前後か?

 その後はほぼ時間が流れず最終回へ。

 金沢の50円玉とドサ健の記憶の件さえなければ、何とかまともな年表を作れそうであるが、作る気にならないので誰か作ってほしい。終わり。