2016-01-01から1年間の記事一覧

「目先の弱者を救うために自由を放棄すると、長期的に見て却って弱者の不利益になるから、自由主義を守るべきだ」論の反対者の全員が、論を理解せずに反対しているというわけではない。

「目先の弱者を救うために自由を放棄すると、長期的に見て却って弱者の不利益になるから、自由主義を守るべきだ」論については、私自身は賛同している。 しかし賛同者の同志達の中には、「反対者は単にこの高度な論理を理解出来ない馬鹿者だから反対している…

大川隆法著『不滅の法』(幸福の科学出版・2012)と幸福の科学の信者数の話

不滅の法―宇宙時代への目覚め (OR books)作者: 大川隆法出版社/メーカー: 幸福の科学出版発売日: 2011/12/13メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る 幸福の科学という宗教団体は信者数が一千万人以上だと自称しており、会員の中に…

二世政治家を減らすための提案は、何故ほとんどが極論なのだろうか?

「二世政治家を減らそう、あわよくば無くそう」という提案は、管見の限りではほぼ全て極論である。 具体的には、「親が政治家であった人物から被選挙権を剥奪する」とか、或いは少し妥協した振りをして「親と同じ選挙区からは立候補させない」とか、そういっ…

『虞禮寧子』虚襤褸子篇(問老章)

甲「僕が思うに、他国の愚かな戦争の巻き添えで自国の兵士が危険に晒されるのは良くない事だよ。なるべくそういう機会は減らしていくべきだ。その種の危険が避け難い場合にも、せめて十分な対価を頂かなくては、死んでいった兵士が浮かばれないよ。これにつ…

全話視聴計画『牙狼<GARO> -DIVINE FLAME-』

TVシリーズ『牙狼<GARO>-炎の刻印-』の続編である映画『牙狼<GARO> -DIVINE FLAME-』を観てきた。 10周年記念作品と銘打っているだけの事はあって、非の打ちどころの無い完璧な構成であった。 そして、『炎の刻印』との設定上のつながりを強調し、また同…

高麗文康『陽光の剣 高麗王若光物語』(幹書房・2013)

陽光の剣 高麗王若光物語作者: 高麗文康出版社/メーカー: 幹書房発売日: 2013/03/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 高麗郡建郡1300年を記念して、高麗神社の現宮司による小説『陽光の剣 高麗王若光物語』(幹書房・2013)を紹介する。 …

高麗郡建郡1300年記念式典に行ってきました。

今から千三百年前、高句麗の遺民達約千八百名に武蔵の国の一部が与えられ、高麗郡という郡が出来上がりました。現代風に例えるならば、自由高句麗仮政府です。 朝廷の内部で活躍した百済王家と違って、地方領主となった高麗王家は中央の歴史書にほとんど足跡…

見破り方を兼ねたサイコパスからの逃げ方(やや実践編)

一般に「悪人」とされる人物の中には、普通の悪人とは質の違う「サイコパス」という連中が混じっていると知ったのは、数年前の事である。知ってから大急ぎでそういう連中との縁を切る努力に全力を費やして、成功した。これは過去の記事(http://d.hatena.ne.…

「X党は一番Aでなければならないのに、こんな事件が起きてしまうなんて…」という表現について

どの政党にもカラーというものがあり、党がらみで起きやすい事件と起きにくい事件がある。 例えば自由民主党についていえば、その規模や支持層や制度からいって、収賄事件が起きやすい一方で、査問と称した監禁・暴行事件は起きにくい。 起きにくい事件が珍…

憲法第九十六条の様々な改正案の中でもあまり見かけない類型の案を提示してみた。

憲法第九十六条の改正案は、大別すると「改憲を今より困難にしよう」と「改憲を今より容易にしよう」の二種に分けられる。 だが私は、二種に簡単に分けられる事自体を問題視している。 たとえば、「第A〜B条は各議院の総議員の四分の三以上の賛成が必要であ…

庶民にとっての金正恩政治の是非を、報道して欲しいと思う。

確か陳舜臣氏の小説か評論で触れた記憶しているのだが、前漢の武帝と呂后の比較論を読んだ事がある。 呂后は史書に名の残る上流階級の人物を大勢殺したせいで極悪人とされてきたが、その治世は安定しており、人口も着実に増えていったらしい。 武帝はその逆…

進歩の無い単なる転向者も社会にとっては有用な人材である。

政治思想であれ宗教であれ、所属している団体に嫌気がさしただけで転向をする人がいる。こういう人は「騙されやすさ」では全く変わっていない。本人に進歩が無いのみならず、教祖の命令通りに反社会的な行為をする確率は同じなので、周囲にとっての危険度は…

三流と一流は酷似してしまう事もある。だからファッショは怖いのだ。

以前まったく別の話題で、「ある立場が一段階格下の立場よりも二段階格下の立場に似てしまう事もある」という話を書いた。(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20131011/1381497351) ここ数年で、あの有名な田母神俊雄氏を通じて、そうした現象が政治の…

全話視聴計画『牙狼 -紅蓮ノ月-』(第二十三・二十四話)

第二十三話 嶐鑼 蘆屋道満が嶐鑼を復活させ、合体する。多くの顔と手を持った姿であり、様々な観音像にヒントを得た雰囲気であった。 源頼信は民を結界のある光宮に避難させようとするが、藤原道長は民を蔑んでいるため光宮の中に入れようとしない。それでも…

全話視聴計画『牙狼 -紅蓮ノ月-』(第二十一・二十二話)

第二十一話 対決 史実ではその後も活躍した人物が、またいきなり死亡した。しかも第十七話の時とは異なり、今度は別のレギュラーキャラと本来は結婚するはずの人物が死んだので、一層驚いた。 これを機に、星明ごと嶐鑼を倒すか、それとも星明まで救うかをめ…

全話視聴計画『牙狼 -紅蓮ノ月-』(第十八〜二十話)

第十八話 星滅 「紅蓮の月」が、本物の月が赤く染まったものではなく、安武家の祖が災いを封じるために施した結界だという設定が明かされる。 道理で赤くなってからはいつも満月だった訳だ。第十五話から一話毎に一ヶ月経過していたのではなさそうである。 …

全話視聴計画『牙狼 -紅蓮ノ月-』(第十五〜十七話)

第十五話 心月 今回からオープニングの歌と映像が変わる。 そこには赫夜も描かれており、本編のラストでも再登場している。今シーズンの副題の「紅蓮の月」と何か関係があるのだろうか? 今回は『源氏物語』にヒントを得た話である。前回大量の貴族が死んだ…

全話視聴計画『牙狼 -紅蓮ノ月-』(第十一〜十四話)

第十一話 斬牙 いよいよ二人目の魔戒騎士が誕生し、前半の事実上の最終話として相応しい内容となる。 袴垂の噂を聞いた大盗賊天戒丸が彼を呼び寄せ、白蓮騎士斬牙の称号と鎧を譲り渡す。 そして同時に受け継がれた魔導輪は、懐かしのゴルバであった。白蓮騎…

全話視聴計画『牙狼 -紅蓮ノ月-』(第八〜十話)

第八話 兄弟 前回は星明の生い立ちが明らかになったが、今回は雷吼の生い立ちが明らかになる。 多田新発意が藤原道長の仲介で藤原致忠の娘と結婚した際に、その間に新しく生まれてくる子供(後の源頼信)が自動的に黄金の鎧の後継者になれるよう、母とともに…

全話視聴計画『牙狼 -紅蓮ノ月-』(第五〜七話)

第五話 袴垂 貧しさ故に罪を犯してしまう貧民と、救貧をまるでしない貴族の世界が対比的に描かれている。 そしてそういう社会だからこそ火羅になってしまった人物も登場する。 今までの牙狼シリーズで陰我があるとされた人物のほとんどはただの悪人であった…

『牙狼 -紅蓮ノ月-』(スペシャル・第一〜四話)

スペシャル 番組全体の予告編として作成・放映された回である。 キャラクターデザイン担当の桂正和氏が総監督雨宮慶太氏の大学の後輩である事などが明かされていた。 過去の牙狼シリーズのおさらいの部分もあるのだが、これを見ていて気付いた件があった。過…

「ドイツの戦う民主主義は綺麗な戦う民主主義、韓国の戦う民主主義は穢い戦う民主主義」という立場について

ワイマール共和国と大日本帝国は、独裁が成立するにいたった原因がほぼ逆であったため、それを反省して作られた戦後の西ドイツと日本の制度もほぼ逆になった。 少数意見・極端意見を尊重し過ぎてナチスの台頭を招いた事を反省した西ドイツでは、「戦う民主主…

昭和天皇の戦争責任の重さの分量についての社会通念を変える方法を考えてみた。

昭和天皇の戦争責任の重さについては、様々な意見があり、その平均値が所謂「社会通念」を構成している。 これをより重い方向に変えていこうとしている人もいるし、軽い方向に変えていこうとしている人もいる。 だがそのための努力の仕方が、妙に偏っている…

「大東亜戦争肯定論」という用語自体を批判する人がほぼ皆無な件

右派にも左派にも、用語に強いこだわりを持ってくれる人がいる。そのこだわりの背後には別の動機があるのかもしれないが、用語自体を検証する主張には虚を突かれて自分の既成概念を破壊される事もあり、時折感心させられている。 最近議論されている用語の例…

衆愚政治

外国人「ふむ、貴国では馬鹿な首相が愚民を扇動して衆愚政治を行っているという訳ですね。ならば対策は簡単です。貴方達はあの馬鹿な首相より賢いでしょうから、より上手に愚民を扇動出来る筈です。そして愚民の支持を背景に政権を奪還した上で、教育によっ…

『BLASSREITER』の予言が当たってしまった。寛容は一転して非寛容となる。

少し前に『BLASSREITER』(ブラスレイター)というアニメの全話視聴をした(ココカラ→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20140816/1408125264)。 舞台は架空のドイツなのだが、そこではドイツ人が中東からの移民を差別しまくっていた。 視聴当時、私は一部の…

日本国民が主権者としての自覚を強く持ち部下である政治家を慎重に選ぶようになるための方法を考えてみた。

最近、「日本国民が主権者としての自分の地位を重視していないから、政治が乱れているのだ。この現状を変えなければならない。」という主張を読んだ。必ずしも全面的に同意したわけではないが、取りあえず国民が主権者という地位を重要なものだと考えるため…