主張

民主集中制を思う

日本共産党の民主集中制について、実際に何らかの被害に遭った人の体験談は非常に重みがある。そういう人には、今後とも大いに情報を選挙民に発して欲しいと心から思う。 しかし一方で私は、自分どころか身近な友人すら一人も被害に遭ってない人が民主集中制…

果たして人間中心主義は生態系保全の敵か?

生態系保全を強く叫ぶ者の中には、人間中心主義を敵視する者が一定数いる。 またその者が反西洋中心主義者をも兼ねていた場合、『旧約聖書』の創世記の第一章の六日目に神が人間に与えた他の生物への支配権の記述を批判するのは、定石と言っても良い。 だが…

「日本が戦争になったら貴方はどうしますか?」系のアンケートに、しばしば見られる愚かしさについて

「日本が戦争になったら貴方はどうしますか?」みたいな質問を街でしてその回答を集計し、結果を紹介して嘆かわしいだの何だのと騒ぐ連中は、右にも左にも中道にもいる。 私はその結果発表を見る度、稀に例外もあるが、大概は質問文も見解も下らな過ぎて、「…

民法第731条の改正について

現在の民法では、「男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。」と定められている。 現在多くの人がこれを差別的な制度であると考えている。 しかしどう是正するかについては、意見が分かれる所である。 両性とも18歳からとし…

各宗教のターゲットが国ごとに違う事を認識すべき

少し前の韓国で、仏教の僧が賭博をしたとして大問題になったらしい。私は当初、その程度の事を問題視していたら日本の仏教界なんか瞬時に壊滅してしまうだろうと思い、やや引け目を感じたものである。 後述する事になるが、この「引け目」は端的に言って間違…

憲法における国民の義務規定や私人間適用に、積極的意味を見出したい。

現在の世界の憲法の潮流では、デモクラシーの隆盛に伴い、権力者のみを縛る内容のものが重んじられてきている。この流れを絶対視する人の間では、日本国憲法における国民の義務規定や私人間適用規定は評判が悪い。 しかし私はこれらの規定が好きであり、積極…

「5:5:3:1.67:1.67」という表現について

歴史教育において多大なる影響力を持つ山川出版社から2008年に出た『詳説日本史研究 改訂版』の417ページのワシントン海軍軍縮条約の内容に関する記述には、「戦艦・巡洋艦の保有量の比率を、米英各5、日本3、仏伊各1.67とする。」という表現がある。 同年…

日本の選挙におけるアファーマティブアクションについて考えた。

「国会議員の少なくとも50%を女性にすべき!」という有名な主張がある。「能力の保証は?」・「民意は?」・「性的マイノリティをどう扱う?」等、問題点は幾らでも列挙出来るが、本日本題にしたいのはその内の一つだけである。 今回検証したいその問題点と…

録音・録画技術の発達を祝う

三重県で警官が事情聴取の相手をトイレに行かせずに失禁に追い込んだという事件の報道を読んだ。被害者の女性は途中からICレコーダーで事件を録音していたらしく、おそらくこれこそがマスコミに事件を信じて貰えた最大の理由であろう。 新宿署違法捜査憤死…

実は今でも、多くの日本人が北朝鮮の民主主義への幻想を捨てきれていない。

かつて「神聖ローマ帝国」という国があった。現実には、神聖でもなく、ローマでもなく、帝国でもない、という時期が長かったのだが、ともかくそう名乗っていた。 この国を「ふむ、そう名乗るからには、きっと神聖でローマで帝国なんだろう。」と思い込んでし…

この国に摂政は要らない

「「大臣」という役職の名称は民主政治にそぐわない。」という主張を、何度か見た記憶がある。 その主張の根拠は、「かつて「大臣」は天皇の部下を意味していたから。」というものであった。 私は、この主張に触れる前から大名家に「家臣」がいた事を既に知…

日本のサービス残業文化を弱体化させるために、教師が出来る事

小中学校の厭な思い出の一つに、チャイムが鳴っても教師が授業を続けるせいで休み時間が減る事が多かった、というものがある。 授業時間の延長は教師本人にとっても超過労働であり、熱意が動機で延長していたのも、今なら解る。しかし多くの生徒にとっては、…

津波は天罰かもしれない。だが天罰ではないかもしれない。

石原都知事が津波を「天罰」と呼んだ件に関して、各界で様々な議論が起きた。 その中でも一番奇妙だったのが、「あれはX教の教義に照らせば正しいのだ。」という論法で都知事を擁護する論者である。 私に言わせれば、だからこそ失言なのである。 「天罰」と…

災害時の値上げで救われる弱者もいる

以前、長年世間知らずだと見做して馬鹿にしていた某図書館の長が、実は自分よりも社会的弱者の事情を知っていた可能性が高いという事に気付いたので、大いに恥じ入った、という話を書いた(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20100522/1274515658)。 本…

通名報道論争を乗り越えたい

通名を持った外国人が逮捕された場合において、本名ではなく通名を報道する事を、俗に「通名報道」という。一部のマスコミがこの制度を採用しており、その是非をめぐって論争が続けられている。 私としては、これは確かに通名を持たない外国人や日本人にとっ…

金正恩の実績作りを最大限に活かせ!

北朝鮮が日本人拉致の事実を急に認めた時、日本ではこれを評価する声よりも長年の嘘を糾弾する声の方が大きくなった。この世論により、対話は事実上打ち切られた。 北朝鮮政府風情に厳しい規範を適用しようとした日本国民は非現実的であったし、民主主義国と…

人権は、享受し得る人から先に享受して欲しい

『竜馬がゆく』(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20100702/1278002026)で一番面白かったのは、竜馬が日本人を全て大名にしてしまおうという目標を持っていたという設定である。 並の近代化論者は、庶民が絶対多数であるという印象に引き摺られて、人…

特に政治家は、親族が逮捕された直後に謝罪なんかしないで欲しい。

今月七日、石川県議会議員だった森祐喜氏が逮捕された直後、父親である森喜朗衆議院議員はその件を謝罪したらしい(出典→http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100807/crm1008072105016-n1.htm)。 更に同十日には、元衆議院議員の浜田幸一氏が逮捕され、…

「コリ語」で解決

言語を話題とした友人達の会話をボーっと聞いていたら、「コリ語」という単語を耳が拾ってしまった。 最近古典ギリシア語を学んでいる私は、「私がアッティカ方言の学習だけでも苦労しているというのに、ひょっとしてこの人はもうコリントス方言(ドーリス方…

「民主党政権」に「NO!」

かつて、小政党である新党さきがけや保守党が入閣した自民党を中心とする連立政権は、一般に「自社さ政権」・「自公保政権」と呼ばれたものである。 ところが先の衆院選以後は、「民社国政権」や「民国政権」が成立しても、何故か政権は一般に「民主党政権」…

自分達で教育機関を創ってしまうという学生運動も在って良いと思う。

大学から退学処分を受けた学生達が、「学生こそキャンパスの主役であるべき!」みたいな意味のスローガンを使って処分の撤回を目指す抵抗運動をしているのを、最近見かけた。 本稿はその戦い方を否定するのが目的という訳ではない。ただ、「大学はもう一度私…

沖縄県民に対し今年中に特別の御高配を賜らんことを!

戦時中に国内の全地域が平等に犠牲を負担するのは不可能な話である。無理にそれを目指した場合は、作戦の幅が非常に狭まるであろうし、侵略戦争が防衛戦争より素晴らしいという主張に勢いを与えかねない。 だが戦争が終わった後は、犠牲が少なかった地域の負…

2月11日を「立憲記念の日」とする妥協案もありうるのではなかろうか?

皇室や神話に由来する祝日に対しては、強く反発する人が一定数いる。しかし休日を減らすという提案に強く共感する者は稀であるため、廃止論は一部のインテリの知的遊戯の域を出ていないのが現状である。 万人受けのする何らかの新しい解決策を工夫しない限り…

反核派は佐藤栄作をもっと誉めても良いと思う。

反核派には、表向き非核三原則を唱えていながら裏では核を持ち込ませていたとして、佐藤栄作に低い評価を与える人が多い。 その中の極端なケースでは、佐藤家ではなく佐藤栄作個人が受賞した筈のノーベル平和賞について、遺族がそれを返上すべきだ等という封…

事業仕分けと天皇機関説

事業仕分けで、多くの研究が潰されかかっている。 この波に憤慨している研究者達を見ると、抵抗の仕方が下手な人が多いという感想を持ってしまう。別にそうした傾向を批判する積もりも無いが、勿体ない事だとは思ってしまう。 まずは自分の研究が如何に世の…

今こそ「多芸入試」を!

以前紹介した、「長方形」という言葉を知らない中学三年生(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20091220/1261255932)と再会した。そしてその子が、「直角」という言葉を知らない事と、数学も計算問題は普通に解けるという事を、新たに知った。これで私は…

「入れ墨お断り」と無制限との間に、無限に近い数の選択肢が在る筈だが・・・

温泉やプール等における「入れ墨お断り」等の規則が人権侵害か否かについては議論がある。最近その種の規則を無視した人物が逮捕されたため、ネット上では大いに議論が盛り上がった。 今回の記事では、その論争には直接的に関わる積もりは無い。一応議論がよ…

「無神教」・「確率教」・「不可知教」が在っても良いと思う。

無神論者の多くは、自己の奉じる教義に自信が有りすぎるせいか、それを「宗教」とは見做さない傾向が強い。また異教に寛容な有神論者の多くも、無神論だけは宗教ではないと見做す傾向がある。 果たして無神論はそんなにも特殊な立場なのだろうか? 例えば、…

地獄先生から学んだ枢密院民営化論

A「なんだい、遅かったじゃないか。」 B「途中で渋滞に巻き込まれてね。どうやら原因はデモと街宣車らしい。左翼も右翼も同時に消えて欲しいわ。」 A「おいおい、君の方が連中より余程過激なんじゃないのかい?連中は連中で役に立っているさ。」 B「互いの牽…

「偽経」のススメ

ある伝統的宗派の信徒のサイトで、禅宗が「邪宗教」呼ばわりされていた。興味を持って読み進めると、その理由は禅宗で重視されている経典が中国で作られた可能性の高い偽経だからとなっていた。 しかし皮肉な事に、その人が信じている宗派で使われている御経…