2011-01-01から1年間の記事一覧

もしも参政権が前国家的権利ならば、皇族を日本政治に参加させるべきである。

以前私は、「外国人参政権を認めるのが左派で、認めないのが右派。」という単純化された通念に一石を投じる記事を書いた(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20100129/1264773015)。本日は二つ目の石を投げてみようと思う。怠惰故に通俗的世界観に安住し…

日本のサービス残業文化を弱体化させるために、教師が出来る事

小中学校の厭な思い出の一つに、チャイムが鳴っても教師が授業を続けるせいで休み時間が減る事が多かった、というものがある。 授業時間の延長は教師本人にとっても超過労働であり、熱意が動機で延長していたのも、今なら解る。しかし多くの生徒にとっては、…

ふっかつのじゅもん関連

昨日私は、『ドラゴンクエスト』初期三部作の諸王には遠隔地の死者を復活させて呼び戻す能力があるという説を提示した(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110404/1301903522)。本日はこの説に関する話題を幾つか語ってみたい。 その1。ふっかつのじ…

ファミコン版ドラゴンクエスト初期三部作における死と再生

ファミコン版『ドラゴンクエスト3』を遊び始めた頃、偽サマンオサ王に処刑された男性の妻の態度が奇妙に思えた。このゲームでは死後何日も経過した死体ですら多少の金さえ積めば教会で復活させてもらえるというのに、彼女は真のサマンオサ王が復権した後も…

津波は天罰かもしれない。だが天罰ではないかもしれない。

石原都知事が津波を「天罰」と呼んだ件に関して、各界で様々な議論が起きた。 その中でも一番奇妙だったのが、「あれはX教の教義に照らせば正しいのだ。」という論法で都知事を擁護する論者である。 私に言わせれば、だからこそ失言なのである。 「天罰」と…

一碧湖をめぐり、伊豆高原へ

一碧湖を目指しました。 最初のお目当ては伊豆一碧湖美術館(http://www.izu.co.jp/~izukogen/museum/ippeki/ippeki.htm)。しかし数年前から「休館」との事でした。 ウェブ上にページを持っているのだから、せめてそこで告知してくれていたら良かったのに・…

物流で読み解く、ポルトガ王の真意

『ドラゴンクエスト3』では、世界中のほぼ全ての都市で武器・防具の値段・品質が同じである。 アリアハンによる世界統治は既に過去のものであるし、アッサラームで独自の詐欺的な商売を行っている二人の商人が処罰を免れている事から考えるに、これは権力に…

ラダトーム王が武器屋に潜伏した真の理由

昨日の記事(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110326/1301134909)で、『ドラゴンクエスト3』の魔王軍の侵略の手口が前二作と比較して独特である事を強調した。そして、ハーゴンもまた当初はバラモスと同じ手口を用いようとしていた形跡があると、私は見…

何故サマンオサ王は投獄されるだけで済んだのか?

『ドラゴンクエスト3』の魔王軍の侵略の手口は、前二作とは異なり、自派の怪物を世界中の要人に変身させて成り代わらせた後に悪政を敷かせる、というものであった。ゲーム中の情勢を見るに、世界各国が孤立主義を採用している一方、いざとなれば諸国が簡単…

松陰神社と豪徳寺

東急世田谷線の沿線には、吉田松陰の墓もあれば、井伊直弼の墓もあります。悪趣味というべきか公正というべきか節倹というべきか、本日私は両方を参拝する事を目指しました。 まずは松陰神社。大地震のせいで入り口にある大きな鳥居が接近禁止になっていまし…

災害時の値上げで救われる弱者もいる

以前、長年世間知らずだと見做して馬鹿にしていた某図書館の長が、実は自分よりも社会的弱者の事情を知っていた可能性が高いという事に気付いたので、大いに恥じ入った、という話を書いた(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20100522/1274515658)。 本…

中世キリスト教世界における籤の評価に関する疑問――十三番目の使徒は籤で選ばれたのだが・・・

十日程前、安藤洋美著『確率論の黎明』(現代数学社・2007)に関する日記(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110303/1299090957)を書いた。 中世キリスト教世界で籤引きが野蛮・不敬な行為として認識された原因は、イエスの処刑に際して行われた籤引きにあ…

冥途の飛脚

東京都写真美術館で映画『文楽 冥途の飛脚』(http://bunraku-movie.com/)が上映中です。今週のある日に、私も観てきました。 外国人の監督が外国人向けに撮影した作品である事と、実演と比較しての料金の安さから、観賞前は入門者向けのイベントだろうと想…

あのシンポジウム荒しがまた出たぞ!

昨日は東京大学国際高等研究所設立記念一般講演会「宇宙はどこまでわかったか?」(http://www.ipmu.jp/ja/node/962)に行きました。そしてここでも、象のオープンセッション(http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110210/1297337584)や脳科学のシンポジウム…

『「マルクスは生きている」公開連続セミナー講演録』とその用途について

不破哲三氏の『「マルクスは生きている」公開連続セミナー講演録』(2010)というパンフレットが、去年から一部の大学で入学試験の前後に民青同盟によって大々的に配られている(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110224/1298559485)。巻末の「民青メ…

脳科学と科学技術コミュニケーション――シンポジウム荒しとの再度の遭遇

昨日は、脳科学と科学技術コミュニケーション(http://science-interpreter.c.u-tokyo.ac.jp/generalpublic/2011/02/5.html)に行きました。一晩経ったせいでかなり忘れているのですが、更に忘れるという事態を避けるため、覚えている事をここに書いておきま…

江戸時代の『スーパーロボット大戦』

唐沢俊一検証blogの昨日の記事(http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20110304/1299207330)で少々気になった箇所を見つけたので、本日はそれに関する記事を書こうと思う。 kensyouhan氏によると、唐沢俊一氏は鶴岡法斎氏との共著である『ブンカザツロン』…

葛兆光教授講演会 「“中国”とは何処か?」

東京大学東洋文化研究所に、「“中国”とは何処か?」という講演会(http://www.asnet.dir.u-tokyo.ac.jp/zh-hans/node/7044)を聞きにいきました。 東洋文化研究所という場所と、この講演会の題名から、私は参加するまでは、てっきり講演者は『『春秋』と『左…

「X学史」ではなく、「X学と史学」

本日は、安藤洋美著『確率論の黎明』(現代数学社・2007)という本を読んで考えさせられた事を、同書の紹介を兼ねて語ってみたい。 私は同書を、一応は「良書」の部類に入ると評価した。 まず、確率論史の本はルネサンス以降の歴史のみを描いたものが多いの…

プレートテクトニクスとイデオロギー関連の覚書

ルイセンコ論争というものが大昔にあった。ソビエト連邦で、遺伝学においてメンデルの業績を否定するルイセンコという人物が台頭し、メンデルの理論の系譜を継ぐ学者は軒並み弾圧された時期があった。そしてソビエトの科学こそが真の科学であるという思想を…

『スターウォズ エピソード3』――酷いよオビ=ワン

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今更ながら、『スターウォズ エピソード2』を再見

スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃 [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2002/12/06メディア: DVD購入: 1人 クリック: 52回この商品を含むブログ (286件) を見る 今更ながらスターウォーズのエ…

殺したのは連合国。見殺しにしたのは日本人。

A級戦犯を裁いた事への批判は多い。ただし、その批判対象が連合国及び積極的に加担した一部の日本人のみに絞られている感がある。一般の日本人は恰も第三者や被害者の片割れの様に扱われている。 しかしながら、「事後法で人を裁くな!」という国民的な反対…

闘う刑事政策

ある日本人が物語った。 「皆さん、今日は日本国憲法第九十九条の話をします。 この条文では、憲法尊重擁護の義務が規定されています。しかしこの義務を負う者の中に、「国民」は含まれていません。こうした体制を「闘わない民主主義」と呼びます。 では「闘…

宝登山の蝋梅

毎年二月頃になると、西武線が宝登山の蝋梅を宣伝しています。これに対して、「蝋梅なんて都心でも見られるじゃないか!」だの「蝋梅って地味だよね。」と考えて無視している人も多いと思われます。私にもその傾向があったのですが、今回実際に訪れる事で、…

オープンセッション「ベトナム資料における象の位相と享保十三年渡来象」

昨日は百草園を観た(参照→http://d.hatena.ne.jp/gureneko/20110209/1297256625)後、東京大学東アジア・リベラルアーツ・イニシアチブ(http://www.ealai.c.u-tokyo.ac.jp/ja/)のオープンセッションに行きました。 講演者のハノイ大学のファン=ハイ=リ…

百草園

百草園(http://www.keio-mogusaen.jp/)の梅まつりを観に行きました。 駅から百草園までの道は、急な上り坂になっています。かなり疲れます。 途中に「あとひといき」なんて書かれた看板もありますが、とんでもありません。困難はここからが本番です。 この…

『唐沢俊一検証本VOL.4』を入手

発売から一ヶ月以上経過してしまったが、『唐沢俊一検証本VOL.4』(参照→http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20101224/1293157504)を本日入手した。 今回は書き下ろしの第4章の質が非常に高かった。 去年私は検証活動に関して、「駄文を生む構造に踏み込ま…

ビグ・ザムの戦力の検証(宇宙要塞防衛戦限定)

1/400 ビグザム出版社/メーカー: BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)発売日: 2005/08/28メディア: おもちゃ&ホビー クリック: 128回この商品を含むブログ (10件) を見る ビグ・ザムの戦力については、様々な見解が存在している。 本来の用途である大気圏…

通名報道論争を乗り越えたい

通名を持った外国人が逮捕された場合において、本名ではなく通名を報道する事を、俗に「通名報道」という。一部のマスコミがこの制度を採用しており、その是非をめぐって論争が続けられている。 私としては、これは確かに通名を持たない外国人や日本人にとっ…